【新唐人2014年12月15日】新疆ウイグル自治区のウルムチ市当局は、公共の場での顔を覆うベールや全身を覆う民族衣装の着用を禁止すると発表しました。これに対し専門家は、当局のこの動きはウイグル族を刺激し、ウルムチの不安定な情勢を激化させる恐れがあると懸念を示しています。海外の人権団体は、これは地元の人々に対する挑発であるとみています。
大陸メディアによると、ウルムチ市の人民代表大会は10日、顔を覆うベールや全身を覆う民族衣装の着用を市内の公の場で禁じる法案を可決。禁止の理由は「テロ」防止のためだとしています。
一方、「世界ウイグル会議」の報道官はラジオ・フリー・アジアに対し、中国当局は民衆の服装や髭まで管理しようとしているが、これはウイグル族に対する挑発であるとコメントしました。
「世界ウイグル会議」報道官
「中国はウイグル人の文化と信仰を尊重すべきです。彼らの伝統的な生活様式も含めてです。中国政府は今 公の場で、髭を伸ばした人を拒絶するなど、様々な措置を採っています。中国の芸能界では、漢族が髭を伸ばすのはファッションなのに、ウイグル人が髭を伸ばすとテロになるのです」
大陸のイスラム教徒、劉さんは、多くの人がムスリムの習慣を理解していないので、ムスリム女性のベール着用などを禁止しようとすると述べます。
大陸のムスリム 劉さん
「特に未婚のムスリム女性は他人に顔を見せてはなりません。結婚後は自分の夫にだけ見せるのです」
民族衣装に対する規制は今回が初めてではありません。今年8月、新疆のカラマイ市では第13回全国運動会が開催されましたが、期間中ベールやヘッドスカーフを着けた人、全身を覆う黒装束、月と星の入った服装をした人、髭を長く伸ばした人の5種類の人のバスの乗車を禁止しました。
ロイター通信は、オーストラリアのメルボルン・ラトローブ大学の中国少数民族政策専門家、ジェームズ・レイボルド(James Leibold)博士の話を引用し、中国当局は民族衣装を宗教の過激主義および暴力と直接結び付けているが、これはテロ問題解決には非建設的な方法であると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/12/12/a1160908.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/李)